• 『よくわかる御願ハンドブック 増補改訂』「よくわかる御願ハンドブック」編集部

『よくわかる御願ハンドブック 増補改訂』「よくわかる御願ハンドブック」編集部

978-4-89982-161-8

1,540円(内税)

定価 1,540円(内税)

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沖縄の暮らしを彩る年中行事に必要なヒヌカン(火の神)、御願(ウグヮン)について、準備の仕方やその意味を、わかりやすくまとめた2006年7月発売の「よくわかる御願ハンドブック」にさらに御願Q&Aを追加した増補改訂版。

<質問内容一部>
●「白紙(シルカビ)はどんな時に使用するのですか?」(37頁)
●「正月には、ヒヌカンの御願はやらなくてもいいのでしょうか?」(「お正月」64頁)
●「屋敷の御願の日取りはどうやって決めたらいいですか?」(「屋敷の御願」85頁)
●御願全般に関するQ&A(巻末)
「御願の方法を間違えた時は?」「御願は男の人がやってもいいの?」など
●ヒヌカンに関するQ&A(巻末)
「ヒヌカンにお願いできる家族の範囲は?」
「香炉の掃除はいつどのように行えばいいのか?」など


【目次より】
第一章 ヒヌカン・トートーメーを知ろう
 ステップ1 行事は旧暦で行われる
 ステップ2 沖縄のお家にいる〈神様たち〉
 ステップ3 沖縄の仏壇(トートーメー)
 ステップ4 ヒラウコー(沖縄線香)の使い方をマスターしよう
 ステップ5 御願には欠かせないウサギムン(お供え物)
 ステップ6 ヒヌカンのついたち・じゅうごにち
 ステップ7 ヒヌカンのグイス

第二章 ヒヌカン・トートーメー十二ヶ月
【1月】正月 /ハチウクシー(初起し)/ヒヌカンの迎え日(サカンケー)/トゥシビー(生年祝い)/七日節句(ナンカノスク)/ジュールクニチー(十六日)/二十日正月
【2月】屋敷の御願(ヤシチヌウグヮン)/二月ウマチー/彼岸
【3月】浜下り(ハマウリ)/シーミー(清明祭)
【5月】ユッカヌヒー/グングヮチグニチ(五月五日)/五月ウマチー
【6月】六月ウマチー/六月カシチー
【7月】七夕/お盆
【8月】トーカチ(米寿)/ヨーカビー(妖怪日)/屋敷の御願・シバサシ/十五夜(ジューグヤ)/彼岸
【9月】カジマヤー/菊酒
【10月】カママーイ
【11月】トゥンジー(冬至)
【12月】ムーチー(鬼餅)/屋敷の御願(ヤシチヌウグヮン)/ウグヮンブトゥチ・ヒヌカンの昇天/トゥシヌユール(年の夜)

付録1 知っておきたい御願
 はじめてのヒヌカン/マブイグミ(魂込め)/引っ越しの時には

付録2 御願Q&A
 御願全般に関するQ&A/ヒヌカンに関するQ&A


メールマガジン「電柱通り通信」より
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◇◇スタッフリレーブックレビュー◇◇

『よくわかる御願ハンドブック ヒヌカン・トートーメー12ヶ月』
    「よくわかる御願ハンドブック」編集部編


本には、おどろくほどおお化けするものがある。むろん数からすると、
願望とはうらはらに、コケてしまって、倉庫に山と積まれる本の方が多いのであるが。
この本は前者の方。びっくりしたなーもう、なのである。
ヒットした理由としては、定価、レイアウトや造本などの外形的なものから
内容的なものまで、いろいろ考えられるが、ぼくのさしあたっての結論は
感性の勝利というものだ。
ローカルなテーマが、ポップな感性と切り口でさばかれていて、
それがウケた大きな理由だと思う。

内容はタイトルどおり「御願」についてのわかりやすい解説書。
「御願」とは「ウグヮン」とよんで、共同体や家庭の宗教や習俗にかかわる
祭祀のことである。本書では、主に家庭で日常的におこなわれる御願のマナーや
手順や仕方があつかわれているが、基本となるのはキチッとおさえられているので、
汎用性がある。

沖縄では、年中行事や法事などの特別の日にかぎらず、
普段からヒヌカン(火の神)やトートーメー(仏壇)との関わりが深く、
それにまつわる独特の仕来りがある。本書では、それぞれのケースにあわせて、
ヒラウコー(線香)の使い方やウサギムン(お供えもの)の種類や配置、
ウサンミ(御三味)の種類、グイス(唱え言)の内容などがイラストつきで解説されている。
ぼくも、この本ではじめて知ったことがたくさんある。

御願の本というと、辛気くさく小難しい本に思われるかも知れないが、
本書はそうではない。というよりも、若い人なら敬遠したくなるような、
辛気くさく古くさい仕来りや習俗を、今風の消費社会的、都市的な感覚と文体で
編集解説されていて、読む方も、ことさら「構える」必要のない本になっている。
つまり「民俗学」していないのである。
帯に、「こんな本がほしかった」とあるが、
じっさい、なんでなかったんだろう、と不思議なくらいである。

(ピサの社長)

■発行:2009年8月15日