• 『山原バンバン メイドインおきなわコミック』大城ゆか著

『山原バンバン メイドインおきなわコミック』大城ゆか著

4-89982-070-4

1,650円(内税)

定価 1,570円(内税)

購入数
大城ゆか 作 A5判 172 頁

メイド イン おきなわ コミック

100%メイド・イン・ウチナーコミックの傑作、10年目の改訂版。いしかわじゅんさん推薦オビ付き。学校に畑に宿題追い込みの日の闘牛見物にと、なにかと忙しい高校生なつみちゃんの毎日。小さな感動とユーモアがじわっと伝わる、沖縄島北部・山原で発見された新種のコミック。各紙誌絶賛。

P6,7
その一 戦いの始まり 6,7頁

目次
登場人物紹介
山原とは
 その一 戦いの始まり
 その二 つーよーと指ぶえ
 その三 うれし楽し夏休み
 その四 夏の夜の出来事
 その五 お誕生日会
 その六 ヒーローたち
 その七 村まつり
 その八 うしオーレオーレ
 その九 やんばらばんばん

大城ゆか傑作選at『コミック沖縄』
『コミックおきなわ』とは
またまじゅん(「コミックおきなわ」1989年4月号)
二人でるす番(「コミックおきなわ」1989年10月号)
おばぁ日和(「コミックおきなわ」1990年8月号)

著書後書き
十年目のおまけまんが
十年目のあとがき

大城ゆかプロフィール
1967年沖縄島山原名護生まれ。現在も山原で暮らす。『コミックおきなわ』88年2月号の新人まんがオーディション第四回選定作品「タローくんの日記1 fujio」でデビュー。当時から、独自の絵柄とほのぼのとした雰囲気、山原にどことなくこだわる姿勢が注目を集めていた。90年に『コミックおきなわ』が休刊するまで「タローくんの日記」「パイナップルの家」といった連載や短編作品を『コミックおきなわ』で発表を続けた。その後はシマーコラムマガジン『WANDER』の表紙イラストやショートストーリー「腰ゆくいしみそれーたい」を連載。
 本書は書き下ろしの初のコミック。


メルマガ「電柱通り通信」より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……‥・・
スタッフブックレビュー byピサの社長

『山原バンバン』大城ゆか著 

著者の大城ゆか先生(←一度使ってみたかった)と
ぼくの年齢は二回り以上離れているけど(もちろんぼくが上)、
はじめて『山原バンバン』を読んだとき、すごい既視感に
おそわれたのをおぼえている。

舞台が山原ということもあるけど、なによりも凪ぎのような
ゆったりとした時間の流れが、ぼくの身体の奥に眠っている
感覚を呼びさましたのだと思う。

話は、高校生夏美の日常がたんたんとつづられているだけである。
日焼けを気にして片影を歩いたり、制服のアイロンを
妹に押しつけたりと、どこにでもいそうな女の子の学校生活や家庭生活。
いまとぎの小説やマンガにありがちなドラマもなければ起伏もなく、
日々のくりかえしがかんぜんに風景にとけこんでいるのだ。

たとえば野球部のレギュラーである隣家の高校生は、
地区予選の最中であるにもかかわらず、気負いも悲壮感も
まるで感じられない。
そして夏美に指笛の吹き方を教えてたりする。
あるいは姉弟たちでテレビを観ていて、イベントやセールの情報が
那覇のものばかりなので、「いいなー ナハの人は」
「わったー 完全に ムシされちょーんやー」と、
子どもらしい羨望と不平のつぶやき。

時間の流れは「ちびまる子」と似ているが、何というか
風景への溶け込みぐあいが違う。
『山原バンバン』はミン、ミン、ミンとクサゼミが鳴き競っている中に、
人間がまざっているようなのだ。

池澤夏樹をして「待チカンティーしていた」と言わしめた傑作コミックである。

ところで、第4話で、夏美のクラスメートがキャンプで飲酒をしたり、
第7話では夏美と友人のみっちゃんが、村まつりでオリオンビールを
飲んでいるコマがさりげなくはさまっている。
かろうじてではあっても、地域が健在という証です。
←県警の通報したりしないように。

ピサの社長