• 『新琉球 -地域文化論グラフィティ-』チームT・A「地域科学」研究室95編著

『新琉球 -地域文化論グラフィティ-』チームT・A「地域科学」研究室95編著

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チームT・A「地域科学」研究室95編著 四六版 201頁

沖縄の大学生がレポートする90'sおきなわ

琉球大学の学生が授業の一環としてまとめた「<地域>を読む-琉大生の地域文化論」等のレポートを編集。
地域文化論クラス版の『現代沖縄文化事典』で、90年代の若者が捉えた沖縄の姿がいきいきとつまっていて、いい意味で大学の講義レポートとは思えない自由な内容は、現代若者の沖縄に対するこだわりと愛情に満ちている。

目次
1私たちは「沖縄」をこう見る
いきなり「うちなーんちゅ」とは!?/沖縄の若者の精神文化ー君はシーミー、お盆に参加するか/Wedding in Okinawa/沖縄タイム/てーげー考/沖縄の幼稚園・保育園は、かわいい/沖縄の中古車なぜ他府県ナンバーが多いのか/沖縄の危ない道路事情/閉店時間に見る沖縄の夜の遅さ/男女平等意識の潜在する沖縄ー女生徒会長が多い/民営沖縄模合銀行/沖縄の書店・出版事業ー未来は明るいの!?/沖縄の赤い川、黒い川

2超ローカルな諸問題
「お笑いポーポー」ーうちなーやまとぐちの笑い/コミックおきなわー伝説の超ローカルコミック誌/指ハブ―その知られざる生態とは/知名オーディオ=不可能を可能にした/尚学院の恐るべきジンクス/株式会社個性派バス/宮古の歩行者優先慣習法/ユイムンとしてのピトゥー名護の文化として/大嶋紬/壺屋の荒焼のぼり窯の思い出/人をさらう米軍ヘリコプターの噂/サトウキビのプロフィール/僕の切ないさとうきび畑の思い出/ヤシ天国/恐るべき沖縄の日焼け/恐るべき沖縄のかびとの闘い

3マイ・フェバリット・おじい&おばあたち
おじーおばーの名前ーもしくは益子おばーはエライ/カメーカメー攻撃/カマオジーに関する意外な真実/ポンポンおじさん/百円おばあの値上げ/魚売りのオバーたちの市場/石垣の良くても悪くてお有名人

4今「うちなーぐち」は、いっちゃってる
沖縄の若者が使う「学生方言」の分布(中・南部編)/さらに「でーじ」について突っ込む/うそかーに、命○○個まで、バーリア!/「歯と命、どっちが大切?」/「帰ろうねー」「あい!」「げー!」「あいじゃ」ーあまりにも宮古的な/「パタイ」/海人二十面相ーいまどきのうみんちゅに迫る二十のキーワード/一文字で意味をなしている沖縄の方言/方言ニュース

5ロード・トゥ・ウチナーあれこれ
国道五八号線北上中!/国際通りと平和通りー市場のおばちゃん、救出大作戦/沖縄自動車道路は夢の道路である/復帰後生まれにとっての「コザ」と「空港通り」の謎/パイプライン/宮古の二つの「大通り」/豊見城村ー「とみぐすく」と「とみしろ」の狭間で/与勝ちゃーは、本当にイナカか?/宜野湾の公園は、夜のデートに適している/パレットくもじの風景/波の上ビーチー那覇唯一の浜/金武の鍾乳洞ー古酒と歴史の眠る場所

6キジムナーもウートートー
トートーメーは語る/トートーメー話ー一番うれしいお供え物/ウチカビ由来/ムーチーを世界に広めたい/清明祭は生者と死者の垣根をこえる/宮国の大綱引きーデーロイの迫力/ちょこちょこ祭/カデナカーニバルはつまらなくなった/キジムナーは実在したか/キジムナーの正体は/ケンムン/キジムナーはありのままの人間の姿/魔除けサンの効力/屋根の上のシーサーーその雄大な歴史の旅

7歌いなさい、踊りなさいの日々
琉球音階にみる琉球音楽の魅力/カチャーシーーその基本姿勢、基本精神/指ぶえのコツ/島袋のエイサー/観る側からのエイサー論/琉球国祭り太鼓/八重山と奄美の芸能/月あしび

8週末はアシティビチかA&Wか?
沖縄の人の琉球料理の嗜好性/沖縄そばの発祥の地/豚肉料理のいろいろ/夏野菜ナーベーラー/新垣の金楚●/ペリーもちを食べに行く/沖縄の駄菓子あれこれ/サンティー/ぶくぶくー茶ー泡食ったお茶/タコライスー中部生まれの人気者/週末はA&Wで/ルートピアー癖になるその味/百円のジュースの謎/ケチャップに隠された沖縄の歴史/沖縄明治乳業/オリオンビールー地元のビールが断然うまい/黒糖焼酎/
番外編 NAHAに提案/新天地市場について/国際通りのバスレーンの利用価値

担当教官からのひとことーあとがきにかえて 渡名喜明


旧ボーダーインクHP「今週のこの一冊」より

地上には星がある。倉庫に埋もれた本もある。
そんな本に光をあてるべく企画した新コーナー。ボーダーインクのスタッフが、持ち回りで自社の本を書評しちゃいます。

『新琉球』−地域文化論グラフィティ−
大学生のころの話です。
 授業はつまらない、でも単位は欲しいという、ほとんどの学生が考えるだろうことを考えていた私。単位登録前、どれにしよっかなーと各講義の説明資料をめくっていると、ある講義が目にとまりました。

 その名は、「地域文化論」。
 説明には、こうありました。「この授業の趣旨は、現代沖縄の文化状況をどうとらえるか、みんなで考えてみよう、の一言に尽きる」
 ふんふん、何だか面白そう。
 資料は続けます。
「4年ほど前に沖縄の若者達の間でベストセラーとなり、今でも琉大生協にならんである『おきなわキーワードコラムブック』の手法にならって、受講生諸君が現代沖縄の文化・社会状況を読みとるキーワードをそれぞれの立場・意見に基づいて、提示・調査し、報告する」

 この一文に、私は心をわしづかみにされました。
 「キ、キーワードコラムブックと言えば、あのキーワードコラムブックだよね」

 キーワードコラムブックとは、1989年に出版された、沖縄に関するさまざまな事象について、辞書形式で読ませるショートコラム集です。その収益でビルが建ったとか建たないとか、その後の沖縄ポップカルチャーの方向を決定づけたと言われたりもしています。
(編著はHPに来てくれる皆さんなら誰でも知ってるまぶい組だったり)

 こんな講義、受けたいでしょ。その本の大ファンだった私も、「やるやる!」とばかりに手を挙げたクチでした。そして登録当日、体育館で担当教官に登録印をもらい、晴れて受講生となったのです。

さて新学期、講座が開始しました。興味のあることについて大学で得た知識や方法論で分析し発表するというのが当初のスタイル。資料やスライド、表なども自分で用意するのです。

 「タコライス」というキーワードを選んだ同級生は、宜野湾のキングタコス前で1日張り込んで注文数調査をしていました。得たデータをグラフ化(でも白紙に手書き)し、「深夜帯は空腹なのか、『タコライスチーズ野菜』を注文する人が多かった」と、大まじめに発表してました。成績も、聞き手の学生による5段階評価でした。

 2回、3回と他の人の発表を聞くにつれ、クラス全体の緊張がほぐれてきました。だんだん、とにかく自分の周りの気になること、関心はあったけど今まで調べたことがなかったことに目を向けるようになったのです。例えば、こんな感じ。

 ・カマオジーに追いかけられるのは、だいたい子供が悪い
 ・「ペリーもち」、なぜペリー?
 ・いまどきのうみんちゅに迫る20のキーワード
 ・沖縄の自動車はなぜ中古車が多いのか

 学術的かはさておき、地域=自分の周囲という意味ですもんね。この方向性に変化してきてからの方が、「地域文化論」としては意義深かったわけです。

 発表形式の授業にもかかわらず、欠席者は毎回数人いるかいないかだったように記憶しています。これは、大学の授業としては異例のことだったそうです。

十数回の講義の後、集まったレポートを製本して全員に配ることになりました。
 担当教官に「作業おわったら飲みに連れて行くから」とシカされコピーを手伝ったのは、私と友人計4人。
 作業はたいへんつらかったのですが、それはさておき製本の終わったレポート集を見て、ふと思いつきました。

「先生、これ出版したら、面白くないですか?」
 担当教官はこのような講義を計画するだけあって、大変ノリのよろしいお方で
「おっ、そうだな、そしたら君たち印税生活だな。だっしゃしゃしゃしゃ」
「そうですね。ボーダーインクなんか、いいんじゃないですか?」
「向こうには知ってる編集者さんがいるから、聞いてみるよ」

 そうして講座は終了。成績優秀だったのか、はたまたコピーを手伝ったおかげか、私も無事に「優」をゲットすることができたのでした。

しばらくして、自宅に一通の手紙が届きました。
「はじめまして、ボーダーインクの新城と申します。原稿掲載の許可をいただきたく…」

 そうやって完成したのがこの本です。
                                (キナキナ)




■発行:1996年9月27日