平川宗隆 著
A5判 136ページ
沖縄は、全国にも類をみないヤギ文化を持った「ヒージャー天国」である。
本書のナビゲーターは沖縄ヤギ文化研究の第一人者である平川宗隆氏。
ヒージャー農家たちは、日々どんなふうにヤギを飼育しているのか。
ヤギが売買されるセリ市場や、解体の現場。
県内各地にあるヒージャー料理店のおいしいレポート。
草刈りや癒やしなどヤギの活用術、ときには模合の会場まで!?
熱心に取材を重ねてアジクーターの一冊に仕上げました。
沖縄県が推進するオシャレなヒージャー料理レシピも収録。
あなたもこの本で「ヒージャー天国」をまるごと知ろう!
カバーデザイン:デザイン相談所デコール 南風亜矢子
●目次
はじめに
第一章 ヤギについての基礎知識
ヤギとはどんな動物か?
元気が出るとして珍重
▷Keyword#1 沖縄で多くのヤギが飼われているわけ
▷Keyword#2 沖縄のヤギ、なぜ白い
▷Keyword#3 ヤギの呼び名いろいろ
▷Keyword#4 ヤギが日本へやってきた!
最古の家畜・ヤギ/アジアには二つの経路で伝播
東アジアには2系統のヤギが存在/台湾は2系統の交差点
琉球へのヤギの伝来/日本への伝来/家畜としてのヤギの導入
▷Keyword#5 沖縄におけるヤギのあゆみ
戦前のヤギ事情/第二次世界大戦後/本土復帰後
▷Keyword#6 ヤギ肉とヤギ乳
▷Keyword#7 家畜ヤギいろいろ
ジャムナパリ種/ボア種/アルパイン種/ザーネン種/ヌビアン種
アンゴラ種・カシミア種/トッケンブルグ種
▷Keyword#8 ヤギとヒツジ
第二章 ヒージャー飼育中 われら、ヤギ農家!
【北部地域】
▷ヤギ肉・乳製品やグッズの開発にかける
(農業生産法人 株式会社もとぷらす)
▷重機のオペレーターからヤギ飼いへ(真栄田義盛さん)
▷島ヒージャーにこだわる生粋の畜産人(みーつぴんざ牧場 宮城正男さん)
▷ヒージャーで元気な一家(安村勲さん・安村正也さん)
▷ピージャーオーラサイの仕掛け人(仲田亘さん)
▷アイデアマンのヤギ飼い(比嘉増進さん)
▷舎飼いと放牧の合体方式を推進(伊禮正宗さん)
▷船員からヤギの道へ転身(伊禮斉さん)
▷ヤギ肉の味にこだわる(浜里大志さん)
▷ヤギを飼うハブ捕り名人(名嘉恒夫さん)
▷昼はヤギ生産組合長、夜は居酒屋の店長(津田隆一さん)
【中部地域】
▷95歳の現役ヒージャー飼い(米須清行さん)
▷ヤギたちとお散歩しませんか
(清ら海ファーム 外間昇さん・晴美さんご夫妻)
▷部屋の中でヤギを飼う(藤田充隆さん・美知恵さんご夫妻)
▷土木業からヤギ飼いへ(小橋川嘉善さん)
▷豚からヤギへシフトチェンジ(上地真徳さん)
▷ヤギ飼いのプロ、久米島からも白羽の矢(宇禄昌健さん)
▷福祉関連の仕事から転身(新城清吉さん)
【南部地域】
▷斬新な発想でヤギを飼い、仲間をまとめる
(ゴートハウス真壁 金城忠良さん)
▷糸満のヤギ振興に情熱を傾ける(大城助春さん)
▷那覇市内の公園でヤギを飼う(大石公園ヒージャー愛好会)
▷元警察官がヤギを飼う(崎山安男さん)
▷那覇市内の傾斜地でヤギを飼う(宮良松雄さん)
【離島地域 南大東】
▷半農・半漁からヤギ飼いへ
(ピットイン新城 新城鎌佑さん・幸子さんご夫妻)
【離島地域 宮古】
▷「多良間ピンダ島おこし事業」を一手に担う(知念正勝さん)
▷地方公務員からヤギ飼いへ(垣花勝盛さん)
▷キン肉マンがヤギを飼う(羽地敏哉さん)
▷83歳の独身ヤギ飼いおじいさん(上里正栄さん)
▷100頭あまりを一手に 期待の新星(荷川取英正さん)
【離島地域 八重山】
▷会員26名をたばねる石垣市の組合長(宮国文雄さん)
▷料理店経営のかたわらで飼育も(迎里勝二さん)
▷ヤギの人工授精師で柔道家
(農業生産法人(株)ゴ—トファームエイト 新垣信成さん)
第三章 ヤギにいやされ ヤギを活用する!
▷1 やぎさん公園 大石公園ダイアリー
梅雨時の大石公園でヤギと遊ぶ/小春日和に誘われて
▷2、子どもたちもヒージャー大好き!
「小禄金城地域福祉まつり」でヤギさん大活躍
▷3、笑顔のリレー 沖縄から東北へ
南三陸町へ山羊を届けようプロジェクト
▷4、新聞記事から見つけたよ
地域おこしや行事にヤギを活用! 各地の事例から
名護の地域おこしにヤギ/ヤギセラピーで大活躍/キャンペーンにも大活躍
国頭と与論 交易再現 木材とヤギ交換
ヤギさん役所に出動 生きた除草機として活用
本土からのヤギを一手に引き受ける
お得意さんの呼び込みに重要な役割を果たすヤギ汁
模合にもヤギ汁が大好評
第四章 愛のひとさら ヒージャー料理!
▷親子で営む沖縄市の名店(山羊料理の店 ぬちぐすい)
▷ボリューム満点 女将の経営するお店(山羊料理 ひろ)
▷屋富祖大通りの老舗 さすがの味わい(まるくに山羊料理店)
▷ヤギにまつわる女将のトークも魅力(山羊料理 はなじゅみ)
▷珍しい血入りの汁を石垣で味わう(五升庵)
▷宮古の新顔 牛汁・馬汁なども(満月食堂)
▷伊是名の多角経営ヒージャー屋(まる富)
▷定食950円 自家産で良心的価格!(食事処 城木屋)
▷ミニ動物園もある味わい深いお店(中川牧場 食肉加工・食堂)
▷オリジナル料理多数 糸満のニューフェイス
(居酒屋ヤギ処 山羊汁べぇーべぇーべぇー食堂)
▷かつてのヤギどころでイタリアン風ヒージャー(やぎとそば 太陽)
▷おいしいヤギ汁ごちそうさま! 北中城で学校給食に村内産のヒージャー
▷新年祝ってヤギ汁の宴 中城村南上原で区民が集まって舌鼓を打つ
コラム
▷1 沖縄県が推進!『おきなわ山羊肉レシピ』
▷2 中国・福建省福州市郊外のヤギの屠畜風景
▷3 沖縄の伝統的なヤギ調理法について知る
▷4 ヤギのセリ市風景を見学してきた
▷5 スリランカで出会った ヤギカレーのレシピ
あとがき
主な引用・参考文献
●著者プロフィール
平川宗隆(ヒラカワムネタカ)
博士(学術)・獣医師・調理師。
昭和20年8月23日生まれ。昭和44年日本獣医畜産大学獣医学科卒業
平成6年琉球大学大学院法学研究科修士課程修了
平成20年鹿児島大学大学院連合農学研究科後期博士課程修了
昭和44年琉球政府厚生局入庁
昭和47年国際協力事業団・青年海外協力隊員としてインド国へ派遣(2年間)
昭和49年帰国後、沖縄県農林水産部畜産課、県立農業大学校、
動物愛護センター所長、中央食肉衛生検査所々長等を歴任
平成18年3月に定年退職
現在は、Asian Partnership for Goat Affairs(APGA)理事、
沖縄山羊文化振興会会長、アジア食文化研究会会長
●2018年4月 初版第一刷発行