服部敦著
新書版 220ページ
(1200円+税)
978-4-89982-344-5
沖縄本島から東へ360キロ
希少な自然、歴史、文化を持つ北大東島
「うふあがりじま」とは「太陽の上がる島」のことであり、長らく海の彼方の存在が信じられてきた。しかしこの島に人が住み始めたのは20世紀に入ってからのことである。
島にはダイトウオオコウモリ、ダイトウコノハズクなどの天然記念物や固有種が存在し、船が接岸できない特異な地形や内陸部の「幕(ハグ)」と呼ばれる岩稜、八丈島から伝わる文化、中学を卒業すると島を離れる「15の春」、県内で初めて文化的景観に国指定されたリン鉱山の全体像の残る遺跡などなど。特異な歴史、自然、文化についてコンパクトにまとめられた1冊。
これを読むと北大東島へ行ってみたくなる!
●目次
はじめに 外から見た郷土誌
序 章 北大東島の希少性
第1章 チャンプルーな開拓文化【民俗】
第2章 空飛ぶ上陸風景 【地学】
第3章 日本の食料を支えた鉱石 【歴史】
第4章 フルーツコウモリとハートのシダ 【生物】
第5章 離島苦に克つ知恵と技術 【生活】
第6章 所得1位と15の春 【経済】
第7章 離島の愉しみ 【娯楽】
第8章 ぽてとの縁 【人材】
第9章 米軍の射爆場 【ラサ】
終 章 北大東島の普遍性
あとがき 3つの夢のあとに
主な参考文献
付録
基本データ/歴史略年表/主な北大東島の施設・店舗の案内/北大東島への旅行案内
●著者プロフィール
服部 敦(はっとり・あつし)
中部大学教授。工学博士。専門は都市デザイン。国土交通省、内閣官房を経て現職。全国各地のまちづくりの計画策定、プロジェクトの企画・運営を支援。2008年に北大東島に出会い、2009年より政策参与として、各種計画・事業の企画・運営に参加。2018年に刊行された北大東村誌の歴史編を執筆。著書に「都市計画総論」(共著・鹿島出版会)、「地域再生システム論」(共編著・東京大学出版会)など多数。
●2018年7月10日 初版第一刷発行