• 『旅する琉球・沖縄史』真栄平房昭 著

『旅する琉球・沖縄史』真栄平房昭 著

ISBN978-4-89982-368-1

1,944円(内税)

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四六判264ページ 定価(本体1800円+税)

古琉球から現代までを貫く、歴史家の視点。
島々から世界にひらかれた、その歴史と文化。

九州と台湾とのあいだ約1200キロメートルにおよぶ海域には、薩南諸島・奄美諸島・沖縄諸島が弓状につらなるかたちで点在している。日本の最西端に位置する与那国島は台湾と国境を接しており、よく晴れた日には水平線の彼方に台湾を遠望できる。
地理的な視圏をさらに拡大してみると、これらの島々は環太平洋の外縁をなすと同時に、アジアに開かれた〈南の窓〉というべき位置を占める。
日本の国家的枠組みで沖縄をとらえた場合、東京から地理的にもっとも遠い「辺境」というイメージが色濃い。しかし、こうした国家の枠組みを越えて、アジアの座標軸のなかで考えてみると、そこには別のイメージが浮かびあがってくる。(序文より抜粋)

古琉球から現代まで。
琉球・沖縄のひとびとは、どのように暮らし、どのように世界と関わってきたのか。
ドラマと魅力にあふれた琉球・沖縄史を、歴史家の視点でとらえる一冊。
 
※兵庫県尼崎市にある一般財団法人「兵庫沖縄協会」が発行する『月刊榕樹』に連載した歴史コラム・時評を中心にまとめました。

●目次

序文にかえて

第一章 海の琉球史
1 海の見える風景―その歴史的変貌
2 古代人の魂のゆくえ―海上他界観
3 ジュゴンの海―歴史・環境・人間の暮らし
4 中国で海賊に襲われた琉球船
5 福州五虎門の航海史―琉球船と海賊
6 海賊に襲われた琉球人留学生
7 海事信仰と唐旅のお土産
8 「江戸立」使節の船旅―兵庫・大坂を中心に
9 海を越えた手紙―薩摩航路の大和船の事例から
10 久高島のウミンチュとイラブー漁―海の食文化史
11 琉球の漁夫と丸木舟―ブロッサム号航海記から

第二章 渡ってきた人・モノ
1 袋中上人と琉球
2 朝鮮陶工と琉球―張献功の人生
3 海を越えた『源氏物語』―王朝文学の琉球伝来について
4 北斎の「琉球八景」―江戸時代の琉球イメージ
5 ナポレオン風説と琉球―開国前夜の海外情報
6 地球儀と望遠鏡―幕末のオキナワと世界
7 近衛家に伝わる名宝・金彩磁器
8 近衛家の陽明文庫に伝わる「孔林楷杯」 
9 香りの文化史―ジャスミン茶と抹茶
10 ブクブクー茶―那覇の庶民生活風景

第三章 琉球史への旅
1 中国・杭州の旅―西湖のほとりを歩く
2 杭州の古寺探訪―霊隠寺の周辺
3 琉球人の中国旅行体験―イギリス使節との出会い
4 北京に旅した琉球人―チベット仏教寺院を訪ねる
5 福州の旅―一九二九(昭和四)年の紀行文
6 南蛮の旅から―大航海時代のポルトガルと琉球
7 マラッカ海峡―東西交易の要衝
8 猖困譴蕕譴薪膈瓠住南三島の旅から
9 トカラ列島への旅
10 沖永良部島―奄美・沖縄の境界を越えて

第四章 琉球・沖縄史の風景
1 星空への視線
2 琉球王子の墓―駿河・清見寺紀行
3 中世の堺商人と琉球
4 堺の鋳造銭と琉球
5 兵庫津の「真光寺」と琉球
6 恐るべき地震津波―災害の記憶を語り継ぐ
7 老人は世の中の宝―蔡温の「御教条」から
8 「読書」と「学び」の風景―伊江朝睦の日記に探る琉球史
9 伊江親方日記にみる医療と介護
10 琉球処分官の肖像―新発見の写真によせて
11 伊波普猷と子供の会
12 明治の風刺漫画にみる琉球処分
13 済州島と沖縄―近代紡績業の糸でつながれた女性史
14 世界遺産・識名園の風景

第五章 近現代の沖縄
1 大佛次郎の敗戦日記―「沖縄戦」の記事を中心に
2 奄美復帰五十周年
3 ベトナムの戦争の記憶
4 佐藤首相の沖縄訪問演説―一九六五年の知られざる史実
5 歴史は誰のものか―沖縄戦の真実
6 国境の島々―揺れる教科書問題
7 辺野古の海辺に響く鉦の音
8 基地反対の声―島ぐるみ闘争の歴史と現在
9 国土が戦場になった時―沖縄戦と首里
10 戦後70年・新基地反対県民大会
11 「土人」発言とその歴史的背景
12 不発弾 未完の沖縄戦後史

あとがき


●著者略歴
真栄平 房昭(まえひら・ふさあき)
1956年 沖縄県生まれ。
1986年 九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得満期退学。
同年 日本学術振興会特別研究員。九州大学文学部助手を経て
1988年 神戸女学院大学文学部総合文化学科講師、1991年 助教授、1997年 教授。
2014年 琉球大学教育学部教授。
共編著として『近世日本の海外情報』(岩田書院、1997年)、『近世地域史フォーラム1 日本列島の南と北』吉川弘文館、2006年)

カバー琉球ステンドグラス:STAINED GLASS ART SAQRA

●初版第一刷発行 2019年7月