• 『沖縄で新聞記者になる  本土出身記者たちが語る沖縄とジャーナリズム』畑仲哲雄著 ボーダー新書21

『沖縄で新聞記者になる  本土出身記者たちが語る沖縄とジャーナリズム』畑仲哲雄著 ボーダー新書21

ISBN978-4-89982-378-0

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新書判192ページ 定価1200円+税
ボーダー新書21





あなたはどんなふうに〈沖縄〉と出会いましたか?
 沖縄県内二紙で働く本土出身記者たちのまなざしを通して、沖縄ジャーナリズムの現在を問う。

かつて沖縄のジャーナリズムは「沖縄人の沖縄人による沖縄人のための言論」であった。しかし今日沖縄の新聞社には少数ながら本土出身者が記者として働いている。どういう経緯で記者になったのか。「ヤマト」という属性とどう折り合いをつむているのか。
記者たちのインタビューを通して考える沖縄ジャーナリズムの現在。

「沖縄と本土の心理的距離が広がるなか、沖縄の新聞社に就職した本土出身者は何を思うのか。彼ら彼女らの眼差しが、分断状況に抗う視点をもたらしてくれないだろうか」(はじめに)


●目次

  はじめに
  県外出身記者を自覚  
  沖縄にも県外出身記者
  新聞記者の作られ方  
  共通する属性に基づく調査
  本書の成り立ち

一章 どこか違う沖縄の新聞

  地方紙業界に「一県一紙」の名残り
  戦後沖縄の新聞はすべて新創刊
  沖縄の新聞と本土の新聞の違い
  衝撃受けた本土の記者
  本書のキーワード

二章 本土の若者が沖縄と出会うとき

  目から鱗だった小説『太陽の子』
  少女暴行事件の県民集会に衝撃
  高校二年で「沖縄病」の重篤患者
  学生仲間と沖縄でフィールドワーク
  「ネット右翼」だった大学院生
  留学先で聞いたOKINAWA
  寅さんに導かれ、学者から教えられ

三章 沖縄で記者になって分かったこと

  志望理由を言うのは恥ずかしい
  愛のある罵倒に感謝して
  ウチナーグチを使うのは不自然
  沖縄戦体験者と向き合う
  ヤマトから来てすみません
  はじめてのヤマトンチュ記者

四章 ウチナーンチュとは誰のことか

  沖縄人にみえる異邦人
  ナイチャーは辞めました
  ウチナーンチュと思っている
  体に流れるヤマトの血
  「沖縄」の重さ

五章 アイデンティティの壁
  悩ましい沖縄姓の獲得
  生涯かけてかかわる場所
  より近い存在に
  よき住民になる
  出身地を超えたい

六章 本土出身者の役割を求めて

  言葉の洗礼
  ヤマト属性の気後れ
  マージナルマン
  加害者・植民者
  基地を持ち帰って
  自分のポジション
  偽物の言論人を見つける

終章 アイデンティティを飼い慣らす  

  共通属性の悪用
  勉強の必要性と必然性
  エリート意識という病  
  職業的アイデンティティ
  いくつもの属性のひとつ
  本土出身という当事者性
  アイデンティティ再考

  おわりに  

  参考文献


●著者略歴
畑仲 哲雄(はたなか・てつお)
龍谷大学社会学部教授。
1961年大阪市生まれ。関西大学卒後、毎日新聞社、日経トレンディ編集部、共同通信で記者や編集編集者の実務のかたわら東京大学大学院情報学府に学び、2013年に博士(社会情報学)の学位取得。2015年『地域ジャーナリズム』(勁草書房)で第5回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会受賞。その他の著書に『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』(勁草書房)『新聞再生』(平凡社)など。

●2020年2月25日 初版第一刷発行