• 『沖縄文学の魅力 沖縄の作家とその作品を読む』仲程昌徳著

『沖縄文学の魅力 沖縄の作家とその作品を読む』仲程昌徳著

ISBN978-4-89982-399-5

2,200円(内税)

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●四六判・290ページ・並製本
●定価(本体2000円+税)
●著者 仲程昌徳

沖縄でも著名な詩人・山之口貘
芥川賞受賞作家・大城立裕の小説など
沖縄文学の作品を通して文学の表現、魅力に迫る


詩 :山之口貘、川満信一、勝連敏雄
小説:大城立裕、東峰夫、星雅彦、又吉栄喜
戯曲、その他:山城達雄、「白い旗の少女」





本書「あとがき」より
(前略)
 沖縄の文学にこれまでとは少し色合いの違うようなものが表れ始めてきたように思う。それは、沖縄を感じさせない作品が見られるようになったというのとは少し違う。二〇一九年に刊行された作品に又吉栄喜の「仏陀の小石」や大城貞俊の「海の太陽」といったのがあった。又吉にはかつて「巡査の首」があったし、大城貞俊にも「パラオの青い空」があって、海外と関わった作品はあったが、彼らだけではなく、やはり二〇一九年に刊行されたのに真喜志興亜の『諸屯 しゅどぅん』、ミヤギフトシの『ディスタンス』があったし、異色の作品で、少し前の二〇一七年には池上永一の『ヒストリア』があった。
 沖縄の文学は、場所としての沖縄にとどまらないものとなってきたように見える。そして、それはかつての移民小説とも違うもので、その傾向はいよいよ強くなっていくのではないかと思う。ジョン・シロタの死が、一つの時代の終わりを告げたように見えるのも、そのようなことと関係しているのであろう。

二〇二〇年九月                          仲 程 昌 徳


●目次/沖縄文学の魅力

山之口貘の章
  「ない」ことをめぐる「思弁」   
  応答の詩学 ―「いう」の形相   
  『新編 山之口貘全集 第一巻 詩篇』に触れて  
  本土「幻想」の結末 ― 「沖縄よどこへ行く」をめぐって  

大城立裕の章
  小説「琉球処分」私感  
  歴史の決算 ―大城文学と琉球・沖縄の歴史 
  戦場の性愛 ―「夏草」小論  
  初期移民終焉の物語 ―「エントゥリアム」をめぐって  
  遊女たちのゆくえ ―「幻影のゆくえ」をめぐって  
  ◆コラム 大城立裕の琉歌  

掘仝鎚未両
  沖縄戦をめぐる言説 ―「白い旗の少女」をめぐって  
  「母」なるもの ―川満信一の詩  
  三つの男たちの戯曲と二つの女たちの小説 ―『山城達雄選集』解説  
  言葉を入れる、言葉を繋ぐ ―東峰夫の作家姿勢   
  「南の傀儡師」をめぐって ―星雅彦の初期小説   
  「夢」の出所 ―勝連敏雄一九七七年〜一九七八年  
  又吉栄喜の初期作品  

あとがき 


●著者プロフィール
仲程 昌徳(なかほど・まさのり)
1943年8月 南洋テニアン島カロリナスに生まれる。
1967年3月 琉球大学文理学部国語国文学科卒業。
1974年3月 法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻修士課程修了。
1973年11月 琉球大学法文学部文学科助手として採用され、以後2009年3月、定年で退職するまで同大学で勤める。
主要著書
『山之口貘―詩とその軌跡』(1975年 法政大学出版局)、『沖縄の戦記』(1982年 朝日新聞社)、『沖縄近代詩史研究』(1986年 新泉社)、『沖縄文学論の方法―「ヤマト世」と「アメリカ世」のもとで』(1987年 新泉社)、『伊波月城―琉球の文芸復興を夢みた熱情家』(1988年 リブロポート)、『沖縄の文学―1927年〜1945年』(1991年 沖縄タイムス社)、『新青年たちの文学』(1994年 ニライ社)、『アメリカのある風景―沖縄文学の一領域』(2008年 ニライ社)、『小説の中の沖縄―本土誌で描かれた「沖縄」をめぐる物語』(2009年 沖縄タイムス社)。『「南洋紀行」の中の沖縄人たち』(2013年)、『宮城聡―『改造』記者から作家へ』(2014年)、『雑誌とその時代』(2015年)、『沖縄の投稿者たち』(2016年)、『もう一つの沖縄文学』(2017年)、『沖縄文学史粗描』『沖縄文学の一〇〇年』(2018年)、『ハワイと沖縄』(2019年)、『南洋群島の沖縄人たち』(2020年)、以上ボーダーインク。

●2021年2月10日発行