• 『高松が舞台になった村上春樹『海辺のカフカ』』落合貞夫著

『高松が舞台になった村上春樹『海辺のカフカ』』落合貞夫著

ISBN978-4-89982-487-9

1,980円(内税)

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●四六判 160ページ
●定価1980円(本体1800円+税)
●落合貞夫 著
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なぜカフカ少年は四国の高松に向かったのだろうか。

世界文学になった村上春樹『海辺のカフカ』を知るための最新の案内書
高松在住の著者が、「海辺のカフカ」の中に出てくる高松のあちこちを訪ね歩き、なぜ村上が、高松を小説の舞台に選んだのかについて考察する

カフカ少年が行った図書館、うどん屋、神社、ホテルはどこか?
高松で出会った美しい女性は、カフカ少年の母親なのだろうか?
21世紀も人間は「悪』を繰り返すのだろうか?


●目次

はじめに

第1章 世界文学になった「海辺のカフカ」

第2章 日本の作家イメージを大きく変えた村上春樹
 1 早寝早起き
 2 マラソンランナー
 3 文学賞の選考委員にならない
 4 純文学とポップ・カルチャーの境界をなくした
 5 公共の場に出ない
 6 海外市場で大成功を収めた
 7 アメリカ文学を血肉としている

第3章 村上春樹の精神形成をたどる
 1 小学校低学年の頃
 2 十代の頃
 3 中学二年の頃
 4 15歳の頃
 5 大学生の頃
 6 ジャズクラブを経営していた頃
 7 デビューした頃

第4章 登場人物たち
 1 田村カフカ
 1の2 カラスと呼ばれる少年
 2 ナカタサトル
 3 佐伯さん
 4 星野青年
 5 大島さん
 6 さくら
 7 田村浩一
 8 ジョニー・ウォーカー
 9 カーネル・サンダーズ
 10 岡持節子
 11 ネコたち

第5章 時代背景について
 1 地下鉄サリン事件
 2 神戸連続児童殺傷事件

第6章 物語の基本構造
 1 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』との関係
 2 フランツ・カフカ
 3 オイディプス神話

第7章 作風の転換と継承
 1 文壇での孤立
 2 自我のすっ飛ばし
 3 デタッチメントからコミットメントへ
 4 三人称を使った最初の長編
 5 変らぬ「謎めいた物語」
 6 音楽の多用

第8章 これまでの主な作品論
     沼野充義/河合隼雄/加藤典洋/小森陽一/黒古一夫/川村湊
     児童文学としての「海辺のカフカ」

第9章 なぜ高松へ行くのか 
 1 讃岐と村上春樹
 2 『雨月物語』との関係
 3 大江健三郎との関係

第10章 高松のどこが出てくるか
     図書館/神社/神社の橋/神社の洗面所/小さな祠/コンビニ/うどん屋
     ビジネスホテル/体育館

第11章 父の呪いと村上春樹

第12章 ビルドゥングス・ロマン(成長物語)としての「海辺のカフカ」

第13章 「悪」について

第14章 カフカ少年の本名は?

あとがき——ノーベル文学賞の可能性

引用・参考文献

●著者略歴
落合貞夫(オチアイサダオ)
1954年香川県高松市生まれ。
著書に『讃岐の文学案内』(文芸社、2019年)、『四国路・文学の旅』(文藝春秋企画出版部、2020年)、『「悪」とたたかう村上春樹 全長編を読みほどく14章』(文藝春秋企画出版部、2021年)、『現代沖縄文学史』(ボーダーインク、2022年)、『在日コリアンの文学史 1923〜2023』(ボーダーインク、2023年)


2025年5月30日 初版第一刷発行