• 『石獅子探訪記 見たい、聞きたい、探したい! 沖縄の村落獅子たち』若山恵里著

『石獅子探訪記 見たい、聞きたい、探したい! 沖縄の村落獅子たち』若山恵里著

ISBN978-4-89982-431-2

2,640円(内税)

定価 2,640円(内税)

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●A5判192ページ
●定価2640円(本体2400円+税)
●若山恵里 著
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石獅子と出逢えば沖縄がわかる!いつ誰が何のために作ったのか。なぜこんなふざけた顔に。いや、むしろ格好いいー!知られざる沖縄の守り神・石獅子の魅力をおもしろく、かつまじめに紹介する前代未聞の石獅子エッセイ。味わい深い石獅子たちの写真、ほんわか手書き地図&イラスト満載。沖縄文化の神髄・シーサーのルーツがここに。やさしさとテーゲーが織りなす沖縄の村落獅子の世界へようこそ。

「本書は、沖縄石獅子に関して石像彫刻の専門家がまとめた好著である。60余か所の村落と約130体の石獅子を紹介し、周辺の文化財についても述べている。何度も現地を訪問し聞き取り調査をかさねてきた奮戦記である。読み進めて長年の労苦がよくわかる。シーサー(獅子)は沖縄の文化を代表し、村落や家の守り神でもある。『石獅子探訪記』の出版で沖縄獅子研究は前進した」(沖縄村落史研究所 長嶺操)

…………そして石獅子と出会ってハンマーで頭を叩かれたようにくるりと運命が変わった若山家のおはなしでもあります。

観光地でもなんでもない沖縄の集落(シマ)のところどころに居る、目立たないけれどとっても大切な守り神。
気にして探さないとまわりの風景と同化して、つい見過ごしてしまう謎の多い存在。
たまに土の中から発見されるし、海に沈んでいたり、誰かが連れ去ってしまうこともある。
ときにみんなから忘れ去られていても、じっと集落を見守っているあいつ。
過度な装飾はなくて気取らないスタイル。
動物のような、人間のような、たまになにがなんだかわからない。
素朴なたたずまいにもかかわらず、並外れた存在感。
それが沖縄の石獅子。もしくは村落獅子。まとめて村落石獅子。
私たちは、その石獅子に、心を奪われた夫婦なのです。
夫・若山大地はその影響で石獅子制作を始めてしまいました。そしてもっといろんな人に石獅子を手軽に見ていただき、石獅子の魅力、感動を少しでも知ってもらえたら嬉しいなという気持ちで「スタジオde-jin」を立ち上げました。制作した石獅子の販売とともに、私・若山恵里は、沖縄県内の石獅子を探し歩くようになりました。
(「石獅子と出逢えば沖縄がわかる」より)





目次

石獅子と出逢えば沖縄がわかる

私たちが石獅子を探し始めたころ
 そもそも「沖縄の村落獅子」ってなんでしょうか
 それは運命的な出会いだった/石獅子探訪ライフはじまり〜/公民館を狙え
 /そもそも村落獅子とは?/ついに対に/村落獅子のみどころ
 /琉球石灰岩、トラバーチン、粟石

01 字富盛 村落獅子のルーツ

石獅子探訪はじまり〜

エリア1
南城市
02 大里 字大里南風原区 難度の高い彫刻
03 大里 字平良 半開きの魅力「真実の口」 
04 大里 字古堅・島袋区 ミーミンメーの石獅子
05 大里 字仲間仲程区 大きな板チョコ獅子       
06 玉城 字糸数 母の思いがこもった石獅子 
07 玉城 字屋嘉部 しっかりとしたデザイン性 
08 玉城 字當山 まさにスフィンクス 
09 玉城 字中山 海に向いた獅子たち 
10 玉城 字前川 三獅子三様のたたずまい
11 玉城 字百名  舞い戻ってきた石獅子  
12 知念 字久手堅 これ以上簡素化できない顔 
13 知念 字知念・具志堅 猿のような石獅子代表 
14 佐敷 字冨祖崎・屋比久外間区 プッチンプリンの足 

与那原町
15 字与那原・上与那原・板良敷・大見武 これが「沖縄マジック」 

エリア2
八重瀬町
16 字東風平 ゴリラとシャクレ
17 字宜次 後ずさりしちゃう雰囲気 
18 字新城 シンプルにしてやったぜ 
19 字具志頭 大きすぎて測量不可能 
20 字小城 ニョキニョキとニーセー石 
21 字志多伯 かつての城下の石獅子たち
22 字伊覇 バランスの妙が細かい 
23 字安里 軟体動物のごとく 

糸満市
24 字大里 名は無いが堂々たる佇(たたず)まい 
25 字国吉 放心状態の石獅子 
26 字照屋 格調高い孤高の石獅子 
27 字与座 背中に哀愁ただよう石獅子 
28 字座波 大きな口でがぶっと
29 字名城 戻ってきた、歯ぎしり獅子 
30 字真栄里 とぼけた顔してババンバン!

豊見城市  
31 字根差部 何もかも飲み込むカエル口
32 字真玉橋 ガーナー森のケーシ 
33 字饒波 バス停の名前になった獅子 
34 字保栄茂 ペンギンのような三角形 
35 字平良 は虫類よりの石獅子
36 字田頭 戦車を止めた英雄石獅子
37 字渡嘉敷 恐竜風リアルな歯並びと舌
38 字高嶺 水かきのある石獅子
39 字名嘉地 たっぷりでっぷり臨場感 
40 字翁長 ジョン万もみたかも

エリア3
南風原町
41 字照屋 ガチャピン獅子 
42 字本部 鬼の形相とカンナの花 
43 字兼城 区長さんが作った石獅子 

那覇市
44 字上間 カンクウカンクウの衝撃 
45 字安次嶺 何思う、石獅子の戦後史 

コラム どこからやってきたのかわからない獅子

西原町
46 字桃原 シャコ貝を背負った獅子 
47 字呉屋 迫力の1・5等身 

コラム あなたはだれ? 謎中の謎です!

エリア4
宜野湾市
48 字喜友名 県内屈指の石獅子どころ 
49 字嘉数 顔が怖すぎる獅子 
50 西普天間住宅地区(キャンプ・フォスター) 井戸を守るチブル獅子 
51 字我如古 琉球競馬を繋いだ獅子 

コラム 想像して修復してみよう 

北中城村
52 字喜舎場 巨石カニサンへのケーシ 

沖縄市
53 字山里 ウェート感は格別!
54 字胡屋 獅子と魔除けのニービ石 
55 字古謝 南にむいてる獅子たち 

嘉手納町
56 字野里 拝所のシーサー 

コラム 石獅子こだわりデータ  

エリア5
うるま市
57 勝連 字南風原 夜に踊り出す石獅子 
58 字高江洲 ラジオ放送で見つかった獅子 
59 (具志川)照間 おばあさんのおじいさんが作った獅子 
60 勝連 字比嘉 誰かが持ってきた獅子 
61 与那城 字平安座  海から引き上げられた獅子 
62 与那城 字伊計 三つに割れた石獅子 
63 勝連 字津堅 大根栽培を見ていた石獅子

宜野座村
64 字惣慶 ホーハイ、ホーハイ
65 字松田 馬だけど獅子 

東 村
66 字慶佐次 沖縄島最北端の村落獅子 

世界初!《石獅子動物分類図》 

   あとがき 


●著者略歴
若山恵里(ワカヤマエリ)
1979年滋賀県生まれ。2002年沖縄県立芸術大学彫刻専攻卒業。2003年沖縄県立芸術大学研究生終了。2004年沖縄県立芸術大学助手離職。2011年若山大地(夫)と「スタジオde-jin)構える。2016年「琉球新報副読誌かふう」にて「石獅子探訪記」連載開始。
2022年訪ね歩いた石獅子およそ130体。まだまだ探索中。

●2022年7月 初版第一刷発行