2025年8月下旬発行!
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●四六判224ページ
●定価2200円(本体2000円+税)
●波平エリ子著
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位牌継承の未来について考える。
御嶽、門中、シジ、一番座、西と東、ムートゥヤー
家系図、トートーメー、グソーニービチ、預かり位牌など
しきたりや慣習にはこんな意味があった。
2010年の初版発行から現在までロングセラーとなっていた民俗学の入門書が、新装改訂版としてあらたに登場しました。沖縄社会の近代化にともなって位牌祭祀はどう変容したのか、そして今後はどうなっていくのか。沖縄社会のありかたを考えるうえで必読の一冊です。
●目次
はじめに
第一章 村の聖地はどこにあるか
村とムラ/ムラの聖地/沖縄の墓の変遷/御嶽の神/御嶽の数/御嶽のイビ/木を切ってはいけない/鳥居のある御嶽/トゥンと神アサギ/ムラの「井泉(カー)」/ビンシーとヒラウコー/御嶽は集落のどこにあるか/名城の旧家と分家/北側が優位/屋号から見る「北」
第二章 生活空間と方角
家の向きと出入り/家の間取り/外見は洋風でも/逆構えの家/一番座と二番座/一番座では/家の中の神様/仏壇という空間/亡くなった人の枕の向きは/出棺はどこから/沖縄の綱引き/真栄里の綱引き/東と西の勝敗/見えてくる東と西の方位観念
第三章 門中の人々
「チー」とは/「シジ」とは/娘のシジ/門中行事で門中意識/北部の女性たち/系図座の始まり/士族の筋目/「門中」という言葉/門中制と家譜/現在の系図作り/中国名の理由/中国的な姓の便利さ/名乗り頭字/門中墓/墓をノック/門中の年中行事/門中のつながり
第四章 トートーメーについて
位牌祭祀の受容/お寺での先祖供養/位牌が語る歴史/位牌(トートーメー)について/位牌の種類/位牌札と並び/位牌札の不規則な配列/地方役人と農民/位牌の裏書きの見方
第五章 位牌継承と禁忌
長男による継承/海外からの位牌継承/理想的養子
(1)タチイマジクイ 同じシジで代々継承/同じシジの人を捜す
(2)チャッチウシクミ 長男以外の継承/是正の方法/チャッチウシクミ(例2)
(3)チョーデーカサバイ 兄と弟を一緒に祀る/預かり位牌
(4)イナググヮンス 女性の初代元祖/グソーニービチとは/遺骨を移す/引き取り手のない位牌
第六章 これからの位牌継承
門中化現象/王府時代の位牌祭祀/明治時代の旧慣存続/『シマの話』に見る位牌継承/禁忌のゆるやかな解釈/ウヤヌフチュクルとは?/「トートーメー問題」/家族構成の変化/地縁社会の変化/脱門中化現象と今後の位牌継承
参考文献
おわりに
コラム
ヤードゥイ(屋取)/親族関係図の見方/葬送にみられる忌避行為/系譜関係図の書き方/2つの名前/ミートゥンダヤ カーミヌチビ ティーチ/冊封使/干支/村内法にみる家の相続/民法における相続
●著者略歴
波平 エリ子(なみひら えりこ)
1958年、沖縄県那覇市生まれ。成城大学大学院博士前期課程(日本常民文化専攻)修了。沖縄女子短期大学准教授を経て、現在、沖縄国際大学大学院非常勤講師、湘央学園浦添看護学校非常勤講師。沖縄民俗学会会員。
主な著書・論文
『おきなわ軽便鉄道マップ』(ボーダーインク、2008年)「沖縄県の高齢者福祉施設における回想法の取り組みについて―民俗学の視点から―」『地域研究』(沖縄大学地域研究所発行、No.3、2007年)「回想法—沖縄からの報告—『福祉のための民俗学—回想法のススメ』(慶友社、2008年)「親族と女性たち」『なは・女のあしあと(前近代編)』(琉球新報社、2001年)「民間巫者と門中化との関係をめぐる一考察」『沖縄の宗教と民俗』(第一書房、1998年)「トートーメー継承と女性」『沖縄県史 各論編第八巻 女性史』(沖縄県教育委員会、2016年)「宮古・八重山の位牌」『沖縄の信仰用具に関する総合調査報告書』(沖縄県教育委員会、2016年)「位牌祭祀」「基地に消えた拝所」『沖縄県史 各論編第九巻 民俗』(沖縄県教育委員会、2020年)「人生儀礼」「鉄軌道」「軽便と歌」「自動車」『与那原民俗・芸能 与那原町史図説編』(与那原町教育委員会、2025年)
●2025年8月 新装改訂版 第一刷発行