• 松山御殿の日々ー尚順の娘・茂子の回想録

松山御殿の日々ー尚順の娘・茂子の回想録

978-4-89982-192-2

1,650円(内税)

定価 1,650円(内税)

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● 知名茂子著 監修 尚 弘子
 四六判/174頁(口絵8頁)

「御殿(うどぅん)」とは首里の王族の家や建物を意味する語で「松山御殿」は琉球王国最後の国王尚泰の四男・尚順男爵家(松山御殿)を指す。
戦前の御殿での食卓や日々の暮らしのできごとを1917年生まれの娘である著者が綴った一冊。
御殿での年中行事や思い出や料理、再現「松山御殿の食卓」レシピ(西大八重子)で料理のつくり方、独特の首里の御殿言葉を集めた語彙ノート(小高恭)など掲載。



著者が当時を思い浮かべて描いたイラスト
上は三月三日の皿盛りのごちそうの図

2002年刊の『松山御殿物語』の続編、番外編とも言える一冊

目次より
希代の風流人、尚順男爵  尚 弘子 

一 松山御殿の日々 
松山御殿に生まれて /弓場の思い出 /アンメーとアナーのこと  /農園で働く /父、尚順の教え /みかんのお礼 /あれから七十余年 /松山御殿関係系図 
二 松山御殿の食卓
   1 松山御殿の年中行事
一月 お正月 35/旧暦一月一日 旧正月 /旧暦一月酉の日 ウトゥスビー /三月 お彼岸 /旧暦三月三日 サングヮチサンニチ /四月 お清明 /旧暦四月 アブシバレー  /旧暦五月十五日 ウマチー /旧暦六月二十五日 ウユミ /新暦七月十四日、十五日 お盆 /旧暦八月十日 ウユミ 旧暦八月十五日 八月十五夜 /十月 洋食会、県社お祭り /十二月 冬至 十二月三十一日 年ヌユルー /旧暦十二月八日 ムーチー 
   
   2 思い出すままに 
食通の父 /家計の足しに豚を飼う /嫁ぐまで /松山御殿ゆかりの料理 

三 琉球料理への誘い〜尚順男爵の時代      
    新報料理講習会 第五百回記念(『琉球新報』二〇〇九年四月十二日付)

四 松山御殿の語彙ノート            小高  恭  
    知名茂子氏の使用語彙を中心に

五 松山御殿の料理レシピ            西大八重子 

イタミロクジュウ /干しロクジュウ揚げ /カラシジー /クーンムニー(粉芋煮) /ゴーヤーサトウナジ /チリムジ(切り麦) /ポーポー /トードゥーイ /ヌンクー /ミヌダル /湯葉とかつお節のふりかけ /尚順男爵の料理 
   
   あとがき 173

知名 茂子(チナ シゲコ)
1917年尚順男爵六女として松山御殿に生まれる。1938年首里の旧家、知名家に嫁ぎ、台湾に渡る。戦後、帰沖。三男一女の子育ての傍ら、首里地域の人材育成を目的に結成された首里奨学母の会の活動に参加。卒寿を優に超え、水墨画を嗜むなど悠々自適の日々を送る。

尚 弘子(ショウ ヒロコ)
1932年沖縄県首里生まれ。米国ミシガン州立大学大学院栄養学専攻(修士課程)修了。農学博士(九州大学)。琉球大学名誉教授。1958年松山御殿尚順男爵六男、尚詮に嫁ぐ。尚詮没後(1990年)、2002年明治・大正・昭和の松山御殿の記録『松山御殿物語』(同刊行会編)を上梓。