島尾敏雄を読む 『死の棘』と『死の棘日記』を検証する
比嘉加津夫 著 四六判222頁
すべての読者に『死の棘』の読み直しを提案する渾身の島尾敏雄論
目次
『死の棘』の夫婦
『死の棘』の愛人
『死の棘』と『死の棘日記』
『死の棘日記』を検証する
〈おおかたの読者、批評家は書かれているとおりに読み、書かれているとおりに理解していったのである。ぼくにはどうしてもそうは思えなかったし、ひっかかりを感じた。つまり、ぼくにはそうは読めなかったのである。島尾敏雄と妻のミホはここで大芝居をうっていると思ったほどだ。主人公を脅迫しているのは、つまり脅迫文の作者は愛人ではない、愛人であろうはずがない、この小説は小説として大成功しているのはそこを中核にしているからだとおもい、内心『死の棘』に喝采をおくった〉(あとがきより)
比嘉加津夫(ひがかつお)
略歴 1944年久志村字久志に生る。沖縄大学文学部中退。詩集 『記憶の淵』、『流され王』、『春は風に乗って』など。著書に比嘉加津夫文庫� 銑瓦覆鼻 ‖真堯�「脈発行所」主宰。同人誌『脈』75号、書評誌『Myaku』12号まで出している。
2012年7月発行