宮里千里 著 四六判 248頁
遙かなる〈おきなわ豆腐〉ロード
沖縄のシマ豆腐を追いかけて、ブラジル、アルゼンチン、ハワイ、インドネシア、中国、台湾、韓国、日本、そして沖縄。豆腐の向こう側に、懐かしてたくましい人々の暮らしが見えてくる、アチコーコーな沖縄文化論。 □うんちく、道草いっぱいの注・うちなーぐち解説付き□
本書は、「断乎として、おきなわ豆腐なのだ!」と豪語する著者・宮里千里が、沖縄はもとより、南米、アジア、日本と、シマ豆腐を追いかけて幾千里、あっちゃーあっちゃー東奔西走したアイと情熱の紀行です。琉球新報紙上で2006年一月から十二月かけて連載された「おきなわ豆腐ロード」に加筆し、数多くの注と取材メモ、写真、地図がてんこ盛りされています。
シマ豆腐ジョーグー(トーフ大好き人)はもとより、トーフを通して沖縄の歴史、移民の生活、アジアの文化を見つめる、アチコーコーの(出来たてホットな)沖縄文化論として、ウチナーと豆腐を愛する読者の方々に楽しんでいただける内容となってます。
一丁、どうぞご試食を!
ボーダーインクの宮里千里の本『あーあー・んーんー事典』も合わせてどうぞ。
目次
第一章 南米とぅるるん豆腐紀行
第二章 100%沖縄豆腐びけーん
第三章 大豆腐圏としてのアジア・日本編
第四章 わたしはトーファーになりたい
前書きなど
しま豆腐に気持ちが惹き付けられて以来、考え続けていることがある。あまりにも豆腐は日常過ぎるのか、沖縄のあふれるくらいに数ある食材のうちでも意外や意外と注目はされていなかったように思える。ウチナー豆腐を語るということは即ち、優れて沖縄そのものを語ることになるのではと考えている。
豆腐に関することで一年間の新聞連載を行った。紙面1ページのおよそ半分を占める破格の扱いをしていただいた。それにしても豆腐だけの話題で一年間は無謀とも思えたが、しかし、日ごろからの豆腐に対する思いは強かったし、それに、豆腐に関して南米をはじめ、ハワイ、中国や韓国、それにインドネシアなどの取材はすでにこなしていた。そういうこともあって、どうにか一年間は続くだろうと考えていた。加えて国内の幾つかのポイント、さらには沖縄内を回ったりもしていたから、「完食」は可能だろうと。
新聞では48回の連載だったが、加えて、新たな項目や「取材メモ」などを加えた。それにウチナーグチを多用しているので「注」を加えた。ボリュームの関係で「注」の字がシニ小さくなっているがご容赦を。でも、「注」を書き始めると止まらなくなってしまう。違う展開というか、新たな記述になることを知った。
著者プロフィール
宮里千里(みやざとせんり)
1950年、真和志村(現那覇市)生まれ。沖縄のエッセイスト。著書に『アコークロー』『シマサパはいて』
『沖縄あーあー・んーんー事典』(ともにボーダーインク刊)、『ウーマク!』(小学館)『沖縄 時 間がゆったり流れる島』(光文社新書)がある。CDとしては『里 国隆 路傍の芸』』『シマウタ ブンブン』にエンジニアとして参加。 趣味は、平敷屋エイサー鑑賞。シマ豆腐を食べること、アジアあっちゃー。