沖縄への短い帰還
池澤夏樹
四六判上製本 336頁
旅する人生のなかに
〈沖縄〉という季節があった
池澤夏樹、沖縄の日々を語る!
1994年から2004年まで沖縄で暮らした作家・池澤夏樹が記した、沖縄をめぐるエッセイ、書評、インタビュー、講演、掌編小説を、厳選して収録。
沖縄で暮らした十年と、そこで得た様々な思い。
単行本初収録、多数。
池澤夏樹、19年ぶりの沖縄県産本。前回は『沖縄式風力発言』でまだ那覇に住んでいたころ。あれからいろんなことがありました。
そんな思いをひめながら、ボーダーインクと池澤さんとの長年の結びつきから生まれた企画です。
解説は、宮里千里、編集担当は、新城和博。コラムマガジンWanderでのインタビュー、『島立まぶい図書館から眺め』に収録していた書評などボーダーインクならでのものから、単行本初収録の文章もいろいろ収録しました。
●序より抜粋
沖縄の十年とそこで得た作物のこと、それにこの先
ボーダーインクがぼくの本を出してくれることになった。
この沖縄の出版社とは長いつきあいだ。まずは読者としてここが刊行したたくさんの名著を読んで沖縄を深く知ったし、ぼく自身の『沖縄式風力発言』という本を出してもらったこともある。編集者・新城和博とは親しい友人、正に水魚の交わり……と言ってからさてどっちが魚でどっちが水かと考えた。たぶんきみが水だ。
今回の本はぼくがこれまでに書いてきたエッセーや書評、インタビューや講演の記録、さらにはショートショートなど、沖縄に関わるものを新城くんが博捜して一冊にまとめてくれたもの。単行本になったのを除いてもこんなにあったかと自分でも感心している。
これを機に、ぼくと沖縄の行き来を短い文にまとめてみた。これをもって序の代わりにしよう。
●目次
序 沖縄の十年とそこで得た作物のこと、それにこの先
自省
�機_�縄のくらし エッセイなど
今なら間に合うヤンバル探検隊
編集は楽しい
与那国島は世界の中心
沖縄人のための越境のすすめ
変わるとしたら沖縄から
敗軍の将に会う
談話―辺野古レポート
のびのび野球と「悲願」 沖縄尚学高校野球部 春の甲子園優勝
おろかな魔物は直進する
沖縄料理原論、の序説みたいなもの
地元の食材
泡盛にあって他にないもの
村の暮らし
四軍調整官による講演の計画に抗議する
島影を追う
�供_�縄に関する本のこと 書評・解説など
『おきなわことわざ豆絵本』― 貧乏について
『南島文学発生論』谷川健一
『八重山生活誌』宮城文 ― 生活文化の記録
沖縄移住後の「読書日記」抄
『山原バンバン』大城ゆか/『高等学校 琉球・沖縄史』沖縄県歴史教育研究会・新城俊昭
『沖縄のいまガイドブック』照屋林賢・名嘉睦稔・村上有慶/『筑紫哲也の「世・世・世」
『戦争と子ども』/『かがやける荒野』/『写真集 基地沖縄』國吉和夫
『アコークロー』宮里千里/『琉球王国』高良倉吉/『料理沖縄物語』古波蔵保好
『見える昭和と「見えない昭和」』『新版 沖縄の民衆意識』大田昌秀
『再考 沖縄経済』牧野浩隆/『豚と沖縄独立』下嶋哲朗/『同盟漂流』船橋洋一
『よみがえれ黄金の島』小山重郎
『シマサバはいて』宮里千里
『西表島自然誌』安間繁樹
「水滴」目取真俊
『基地の島から平和のバラを』島袋善祐:述 宮里千里:録/補記
「恋を売る家」大城立裕
『てるりん自伝』照屋林助
『〈日本人〉の境界』小熊英二
映画『豚の報い』(原作・又吉栄喜 監督・崔洋一)
『ドキュメント沖縄返還交渉』三木健
『鰹節』宮下章
『ゆらてぃく ゆりてぃく』崎山多美
『沖縄おじぃおばぁの極楽音楽人生』中江裕司
『街道をゆく 沖縄・先島への道』司馬遼太郎
『与那国島サトウキビ刈り援農隊』藤野雅之
『新南島風土記』新川明
『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』佐野眞一
『海の沸点 沖縄ミルクプラントの最后 ピカドン・キジムナー』坂手洋二
『琉日戦争一六〇九』上里隆史
�掘_�縄への短い帰還 インタビューと回想
「沖縄は、『鉱山のカナリア』なんですよ」一九九五年
異文化に向かう姿勢──岡本太郎を例として
「ぼくは帰りそびれた観光客だから」二〇〇四年
斎場御嶽
沖縄への短い帰還
土屋實幸さんとモダニズム
�検‖席人里紡阿垢觴�分 講演
太平洋に属する自分
しーぶん/掌編
オトーシの効き目/マヅルおじいの買い物/一人寝
解説 沖縄のユイムンと池澤夏樹 宮里 千里
●著者プロフィール
池澤夏樹(イケザワナツキ)
1945年、北海道帯広市生まれ。作家、詩人、評論家。1975年から3年間ギリシャに滞在。1994年から沖縄(那覇、知念)に10年間住み、2004年からフランスに滞在し、現在は札幌在住。
●2016年5月初版第一刷発行