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●四六判ソフトカバー 208ページ
●定価2640円(本体2400円+税)
●久万田晋 著
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沖縄奄美の民俗祭祀芸能を知りたい、学びたい方に待望の1冊
神と人をむすぶ舞い遊び
島と人をつなぐ歌と祈り
太古と現在をつらぬく芸能の奇跡
沖縄奄美の民俗芸能を長年にわたり調査研究してきた著者による島々の祭祀芸能、歌舞を知るための概説書。
島々の民俗芸能の動向をわかりやすい解説と豊富な写真で紹介し、沖縄・奄美の歌と踊りの、より深い研究へと誘う。
「沖縄・奄美の島々には実に豊かな音楽・芸能が多種多様な姿で今日まで継承されてきた。中にはその継承が危ぶまれているものもあるが、バーチャルなネット空間やAIが隆盛する21世紀の今日においても、それらをいまも何らかの形で体験出来るのは奇跡的なことだと思う」
(久万田晋 沖縄県立芸術大学・芸術文化研究所・教授)
目次
沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り
海神祭 ―他界からのカミを迎える
臼太鼓 ―シマを支える女性たちの歌声
エイサー ―若者の躍動するパフォーマンス
巡遊芸人チョンダラー ―沖縄芸能のミッシング・リンク
綱引き ―夏折目の統合・厄祓・競合
宮古のクイチャー ―伝統と創造の拮抗
奄美大島の八月踊り ―男女の歌掛けと太鼓の響き
浜下り行事 ―祓い清めと女の遊び
騒ぎ歌《六調》の系譜 ―歌が繋ぐ奄美と八重山
ハーリー行事 ―爬竜船競漕と龍蛇神への願い
創作エイサー ―伝統性と現代性の競合
「国頭サバクイ」 ―沖縄の木遣り歌
八重山のアンガマ ―帰還する祖先神との交流
奄美大島のショチョガマ・平瀬マンカイ ―夏の節目の稲霊招来
豊年祭 ―夏の節目を祝う祭り
マムヤとむちゃ加那 ―沖縄・奄美における悲劇の女性伝説と歌
玉城金三の活躍 ―芸能を地域に伝えた異能の人
《天親田》と《ティルクグチ》 ―島々に伝わる稲作生産叙事歌謡
《あじそえ》と「諸屯(しゅ どぅん)」―琉球と奄美、歴史と歌舞のあいだ
《赤田首里殿内》と《弥勒節》 ―沖縄に伝わる弥勒の歌
《うりずんグェーナ》、「かせかけ」 ―女が布を織り、男を守る歌舞
《安里屋ユンタ》 ―古謡から節歌、新民謡へ
沖永良部島の「島建シンゴ」 ―世界創成の叙事歌謡
沖縄・奄美の民俗芸能にみる性別と歌唱法 ―島々の踊り歌を例として
沖縄・奄美の民俗芸能をより深く知るために
民俗祭事概説
沖縄・奄美の三線音楽
沖縄民謡から島唄・沖縄ポップへ
沖縄・奄美の歌と踊り:より深い研究への誘い
参考文献 参考音源 あとがき
●著者略歴
久万田晋(クマダススム)
沖縄県立芸術大学・芸術文化研究所・教授。
1961年高知市生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科修了。専門は日本・沖縄を対象とした民族音楽学、民俗芸能論、ポピュラー音楽論。主な著作は『沖縄芸能のダイナミズム 創造・表象・越境』(共編、2020年)、『沖縄の民俗芸能論−神祭り、臼太鼓からエイサーまで−』(2011年)、『エイサー360度 歴史と現在』(共著、1998年)など。
2023年12月25日 初版第一刷発行