• 『沖縄の海藻と海草ものがたり』当真武著

『沖縄の海藻と海草ものがたり』当真武著

ISBN978-4-89982-371-1

2,420円(内税)

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A5判本文168ページ+カラー口絵16ページ 並製本  定価(本体2200円+税)


海藻・海草の生活を理解すると、沖縄の自然環境の見方が変わります。
サンゴ礁の植物「沖縄の海藻と海草」から自然環境を読み説く一冊。

長年にわたって沖縄の海藻・海草の調査・研究に従事してきた研究者が、
専門的な知識、新知見をもとに、できるだけ分かりやすく解説しました。

地味でめだたない存在の海藻と海草たち。
謎に包まれた世界を観察すると、亜熱帯の自然環境に適応した不思議でおもしろいユニークな生態が見えてきます。
沖縄のイノーでの野外観察・研究の手引きに!

●目 次
口絵 海藻・海草図集 

まえがき サンゴ礁の植物たちを通してみえること1

序章 沖縄の海藻・海草を取り巻く環境と基本事項
はじめに/海藻と海草の違い/海藻の特長/海草の特長/基本事項の解説/潮間帯と好適生育場/琉球列島の気候/サンゴ礁の生物環境を支配する卓越風/卓越風と沖縄島の島軸の傾きの関係/生活環と生活史/接合と受精、卵/減数分裂/植物の指標性について
 
第犠蓮_縄に生育する主な海藻
 
ヒトエグサ  特長/生活環/あーさの養殖/干上がる場所が好適生育場

 アナアオサ  特長/生活環/アオサ類の異常繁殖  

 ボウアオノリ  特長/生活環

 クビレズタ  特長/生活環/クビレズタの故郷は深い海?/養殖調査で分かった好適生育場/生長を鈍化させた要因/養殖の現状とグリーンキャビアづくりの可能性/イ ワズタの仲間は自ら移動する/クビレズタは意外にタフ/変化に富むイワズタ科の形

 オキナワモズク  特長/オキナワモズクとモズクは違う?/生活環/養殖が盛んになるまで/中間育苗法の開発/海の栄養塩はどこから供給されるか/大量生産へ導いたもう一つの発見/礁池の栄養塩はどこから供給されるか/藻体は揺れて生長する/夏場に大量種苗保存する方法の発見/オキナワモズクは休眠する?/生活環からはみ出る同化糸のはたらき  

 モズク  特長/生活環/体の全てを生殖細胞化させる方法

 ヒジキ  特長/生活環/九州以北産ヒジキと沖縄産ヒジキは違う?/生育地の特長/生育帯になる条件/生育帯に押し寄せる波/生育地が3か所に制限されている理由/生育帯の幅を決める要因/生育地の地形改変によるヒジキ帯の減少/生育量/季節的消長の観察記録/発芽期の様子の概略/〈補足:今後に期待すること〉
 

 クビレオゴノリ 特長/生活環/〈オゴノリの仲間〉

 イバラノリ  特長/生活環/〈イバラノリの仲間〉

 キリンサイ  特長  

 カタメンキリンサイ  特長 

 イワノリ類   特長/季節的消長/生活環/沖縄島西海岸に偏在している理由/沖縄島北部に多産する理由/備瀬崎にイワノリ類が生育していない理由/恩納村万座毛崖下の飛沫帯にイワノリ類が少ない理由/小さな個体のまま過ごすノイワノリ類/金武湾奥部にイワノリ帯が出現した理由/導いた結論/沿岸地形の改変で出現した飛沫帯にイワノリ類が着生

ハナフノリ  特長/季節的消長/ハナフノリの耐乾燥性はイワノリ類より  高い/沖縄島のイワノリとハナフノリが薄く混生する理由/海藻植生で沿岸の環境 を推測する(応用)

 海藻類のまとめ

第蕎蓮_縄に生育する全ての海草と海草モ場
 
 「海草」とは  海草の種類/海草モ場

 コアマモ  ウミジグサ
 マツバウミジグサ  ベニアマモ
 リュウキュウアマモ  ボウバアマモ
 リュウキュウスガモ  ウミショウブ
 ウミヒルモ  トゲウミヒルモ
 オオウミヒルモ  ホソウミヒルモ

海草モ場から環境を読み解く 
漂砂の移動を制限する要因―島地形と季節風の関係
礁縁から汀線に向かう波高の減衰と海草モ場の関係
海草モ場の掘削と修復 海草モ場を航空写真から読みとる
沖縄本島の海草モ場と面積 消失させた金武湾の海草モ場は自然回復するか 各地の海草モ場 沖縄島の海草モ場 久米島の海草モ場と主な種類 宮古島・伊良部島の海草モ場と主な種類 石垣島と西表島の海草モ場と種類
海草モ場の構成種から地先の環境を読むことは可能か 
埋め立てにより消滅した海草モ場を他所で人工造成できるか?

おわりに 参考文献 協力/写真・標本提供 索引


コラム1 アオサの方言名「うゎーあーさ」の由来 
コラム2 海藻の好適生育する位置を簡単に知る方法
コラム3 サンゴ片の孔は海藻胞子の住み家 
コラム4  佐敷干潟のポケット浜と絶滅危惧種トカゲハゼ
コラム5 卵、不動胞子の不思議な動き 
コラム6 ヒジキの葉の形 
コラム7 荒場に生えるヒメハモク 
コラム8 冬季季節風とイワノリ類の着生 
コラム9 漂着した大量のアカモク 
コラム10 造礁サンゴの形と海藻の形 
コラム11 ジュゴンの餌はザングサ
コラム12 コアマモとマツバウミジグサの耐乾燥性 
コラム13 植物画 


●著者略歴
当真武(とうま・たけし)
1941年,沖縄県中頭郡美里村(現沖縄市)生まれ.琉球大学生物学科卒,博士(農学 九州大学).沖縄県立水産試験場(現・沖縄県海洋水産研究技術開発センター)研究員,主任研究員,増殖室長,八重山支場長などをへて,沖縄県海洋深層水研究所初代所長,(株)沖縄環境分析センター技術顧問,沖縄県環境評価委員,琉球大学非常勤講師などつとめる.〈主な著書〉『沖縄の海藻と海草(自然環境・養殖・海藻250種)』(2012出版舎Mugen).

●初版第一刷発行 2019年11月