早石周平・渡久地健編/A5判110頁/定価1,050円(税込)
沖縄、奄美の戦前・戦後の島の歴史やさまざまな伝承とくらしの知恵を聞き書きでまとめたブックレット第4弾。
本巻は「沖縄島のくらし」第二弾で、沖縄島本部町の海や魚、漁の話、おばぁが裸足で歩き通した山道など山の話、戦前の那覇の市場の話など5篇の聞き取り。
第1章 本部町備瀬・サンゴ礁の海と魚と漁
第一話 サンゴ礁の地形・魚・漁
第二話 シクシキ(アイゴ稚魚の網漁)のこと
第三話 おいしい魚とその食べ方
第2章 名護市グスクヤマ・ヤマは切り方があるんだ
空中写真の禿げ山/サトウキビからイモ、そして炭焼き/炭焼き窯/山の中の豊里家/家から名護への道/名護岳の水田/はやり風邪で人がいなくなった/炭焼きでヤマをきれいに/ヤマの動物
第3章 那覇市旭町・市場の思い出
鉄工所のこと/市場のこと/子供の頃の暮らし/水と灯り/水辺の思い出/行事と食/時代は繰り返す
第4章 国頭村奥間・与那覇岳に試験場があった頃
父親と山へ/樟脳の話/ソテツを食べる/飢饉の時/ススキは貴重/家庭の薪取りは女性の仕事/換金したもの/山に依存した生活/国有林は地球の裏側/イトバショウのこと/終戦直後のこと/農業普及員の仕事/与那覇岳にあった試験場/山中に住んでいた人/与那覇岳への道/園原咲也先生のこと
第5章 国頭村安田・ウメさんの山歩き
ウメさんの歩いてきた山/ハブの夢/ウメさんの畑と田んぼ/ウメさんとヤンビシャ/竹とメージ/雨とイーマール/フンガーの渡り方/ウメさんの食事/誰かが守ってくれている
〈聞き手紹介〉
安渓貴子(あんけいたかこ)
愛知県生まれ。植物屋。山口大学非常勤教員。主な著作に『森の人との対話――熱帯アフリカ・ソンゴーラ人の暮らしの植物誌』(東京外語大AA 研)など。
安渓遊地(あんけいゆうじ)
富山県生まれ。ヒト屋。山口県立大学教員。主な著作に『西表島の農耕文化』(法政大学出版局、共著)など。
渡久地 健(とぐちけん)
沖縄県本部町生まれ。サンゴ屋。琉球大学非常勤教員。主な著作に『熱い自然──サンゴ礁の環境誌』(古今書院、共著)など。
当山昌直(とうやままさなお)
沖縄県那覇市生まれ。島の動物屋。( 財) 沖縄県文化振興会職員。主な著作に『琉球列島の陸水生物』(東海大出版、共著)など。
早石周平(はやいししゅうへい)
大阪府生まれ。サル屋。琉球大学非常勤教員。ふだんは屋久島のサルの歴史を遺伝子から調べたりしている。
三輪大介(みわだいすけ)
福岡県生まれ。ムラ屋。主な著作に『グローバル時代のローカル・コモンズ』(ミネルヴァ書房、共著)など。
盛口 満(もりぐちみつる)
千葉県生まれ。博物屋。沖縄大学教員。主な著作に『生き物屋図鑑』(木魂社)など。